事例紹介

これまでの事例や、心の病についての情報などをご紹介いたします。

パニック障害

最近は、自身のパニック障害を公表する著名な有名人も多く、その病名が比較的よく知られるようになってきました。

TVで見かけていた芸能人の方がパニック障害を公表したりすると「えっ?あの人が?」と驚くことがあったりしませんか?

日本では、100人に3~4人の割合でなるというほど、身近で珍しい病気ではないようです。

 主な症状

身体的症状として、突然の激しい動悸・めまい・発汗・吐気・呼吸困難・頭痛などがあり、同時に強い不安や恐怖感に襲われるパニック発作があります。

最初は前触れなく発作が起きていたのが、ある一定の条件下で起こるというパターンが見られることもあります。

発作を繰り返し経験すると、「いつ発作が起きるかわからない」・「外出先でなったらどうしよう」といった恐怖や不安が強まります。これを「予期不安」といい、何も起きていない状態から強い不安などにとらわれてしまいます。

また、途中で脱出不可能な状況におかれた時、どうにもならない不安や恐怖を感じる「広場恐怖」というものがあり、これはパニック障害に合併して見られやすいと言われています。

電車やバス、車などに乗れなくなる。あるいは、歯医者や美容院で恐怖を感じ、居ても立ってもいられなくなるといったものが、よく見られる症状として挙げられます。

 

原因の一つとして考えられる、心理的・環境的要因

パニック障害については、色々な説がありますが未だに明確な原因がわかっていないようです。

傾向としては、不安やストレスの影響を受けやすく、優しい他人を優先するような繊細な神経の持ち主が多いといいます。その他には、親子関係、仕事や対人関係のストレス、幼少期の環境や虐待などが考えられるようです。

様々な研究によって、タバコが発症リスクを増加させる、カフェインが発作原因の一つなどとも言われています。

この研究結果が全てという訳ではなく、ひとつの視点に過ぎませんが、禁煙によって発作が軽くなったというのも報告されています。

遺伝的要因も原因と言われていますが、私が多く出合ったのは心理的・環境的要因によるものと考えられるパニック障害です。

 

10代女性のケース

母に連れられてカウンセリングに来た10代の女性。

通学途中、電車に乗ると激しい動悸に襲われ立っていられなくなる、このまま死んでしまうんじゃないかという大きな恐怖や不安で分けがわからなくなる、と訴えていました。

また、パニック発作が起きて友達をびっくりさせてしまったり、周りの人に迷惑をかけることが辛いといい、二重の苦しみを抱えている様子でした。

徐々に症状が悪化し、予期不安や広場恐怖と思わしき症状もあり、学校を休みがちになっている状況で対面カウンセリングをご利用いただきました。

1対1でカウンセリングを進めていくと、背景には不仲な両親、離婚寸前、父への恐怖、見捨てられ不安などが関係しているようでした。

父親の人格障害とも取れるような、朝と夜の表情・言動の違いに混乱や恐怖を感じ、さらに、親権争いなどもあって、この先どうなってしまうんだろうか という大きな不安がこの女性を追い詰めていることが見えてきました。そこには、母子分離不安も絡んでいました。

「母といる時は電車でもバスでも発作はでない。安心するし、いつも一緒にいたい。でも、そんなわがまま言っちゃいけないと思う」

母親と一緒に過ごしたい素直な想いと、わがままを言ってこれ以上 困らせてはいけないという想いで葛藤していました。

精神病を抱える父親や弟の世話で大変な母親の負担を減らそうと頑張り、自分の感情を抑圧して過ごし、甘えてもいい時期に甘えることが出来ず、満たされ受け入れられた安心感があまりないことで、見捨てられ不安や母子分離不安をより強化させてしまったのかもしれません。

親権争いによって離れ離れになることを恐れ、見捨てられるんじゃないかと感じていることも自らの言葉で話をしてくださったこの女性は、まだ高校生にも満たない年齢。この年で親の離婚というのは、ある意味、生命に関わる危機といえます。

対面カウンセリングで自分自身の素直な想いや考えを話す中で、「気づいたこともたくさんあったし、完璧じゃないと愛されないと思っていたけど、これからは頑張っている自分をもっと認めてあげたい」と笑顔で仰っていたのが印象的です。

カウンセリングを重ねる毎に、パニック発作などの症状が出ることも減り、調子の悪いときもありましたが少しずつ安心感が増していきました。

パニック障害には、薬物療法と認知行動療法が効果的と言われていますが、この女性の場合も、投薬と認知行動療法によって良い方向へと改善がみられました。

どんな病でも同じことが言えますが、やはり改善に向かう変化を実感するまでには、どうしても時間はかかります。

焦らずに一つひとつクリアしていくことが、一番の近道と言えるかもしれません。

パニック障害で辛く苦しい日々を過ごしている方も多いと思いますが、、改善へとつながる道は必ずあります。1人で悩まずに、とにかく誰かに相談しましょう。その候補の1人として、私を選んでいただけたら嬉しいです。

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